平成16年信濃川洪水による五十嵐川の内岸堤防,内岸高水敷被災機構の検討 2024年6月17日 最終更新日時 : 2024年6月19日 佐藤 海輝 著者 佐藤海輝/中央大学大学院 後藤岳久/中央大学研究開発機構 酒井公生/新潟県土木部河川管理課 岡田一平/新潟県土木部河川管理課 福岡捷二/中央大学研究開発機構 説明資料 2024年度河川技術シンポジウム_佐藤海輝-3ダウンロード
土木研究所の原田です。今日、発表を聞かせていただき、また河床変動に関する質問をさせていただいたのですが、よろしければ追加でいくつか教えてください.
1.黒い線(低水路と高水敷の境界)をどうやって引いたのですか?という質問は、低水路と高水敷の境界を明確に定義できるような区間ですか?という意図でした.いかがでしょうか?
2.河床変動は、この低水路と高水敷の境界付近で活発に起きているようです.その原因は、水平渦のようなものが形成されているためでしょうか?それとも、説明されているように横断方向の二次流が引き起こしているのでしょうか?
3.ここまで計算されているのであれば、堤防からの越流や越流侵食までも計算できそうにも思えますが(堤防法面(堤外側)も一部侵食されているようですが)、そこまで一体的に解析するのはまだ難しいという感覚でしょうか.
お時間のある時に教えていただければ有り難く思います.また、大本先生からありましたように、運動方程式のどの項がどの程度寄与しているかという観点が、この話の肝心な部分であるように思いましたので、今後の進展を楽しみにしています.
原田様
ご質問いただきありがとうございます。回答が遅くなり申し訳ありません。いただいた質問ですが、次のように考えております。
1.五十嵐川では多くの区間で,高水敷と低水路が明確に分かれてます.そのため,低水路と高水敷の境界線を引くことができました.
2.本解析では1.1km付近で水平渦は見られず,境界付近の河床変動と水平渦の関係は弱いものと考えます.五十嵐川の下流区間0km~4km付近は,川幅が狭く,無次元川幅が福岡式の安定川幅の下限曲線式より大きく下回っており1),高水敷が洗掘被害を受けやすい特徴があります. 1.1km内岸の高水敷では,長時間にわたり複断面的蛇行流れに近い流れが生じたことで,内岸側高水敷上に主流の最大流速が発生しました.流速の速い主流が長時間にわたり低水路と高水敷の境界付近で発生したことにより,その付近で活発に洗掘が生じたものと考えております.また,洗掘形状に関しては、高水敷は粘性が強い土質特性のように見えるため、説明資料19ページの右の写真のように、高水敷が筋状の洗掘が生じたと考えられます.
3.堤防の越流侵食の解析行うためには,まず堤防天端上の流れを詳細に解く必要があります.この論文の解析メッシュは粗かったため,堤防天端の流れの解析精度が不十分であり,十分検討できませんでした.そのため,現在は解析メッシュを細かくして詳細に解析し,堤防天端の不陸や裏のり面の勾配の変化によって、堤防天端の流速分布がどのように変化するかを検討しております.堤防の侵食に関しては,堤防の土質特性を考慮する必要があるため,これについては今後の課題考えております.
参考文献1)田端幸輔、福岡捷二、中平善伸:複雑な河道システムを有する信濃川下流域の治水機能の評価と今後の治水対策の在り方、遂行額論文集、第58巻、2014.