深層学習を用いた流出解析の技術動向およびモデル構築手順のレビュー” に対して6件のコメントがあります。

  1. 木村 延明 より:

    ご発表さま(一言さま);深層学習関連の大変有益なレビュー情報を提供して頂き、ありがとうございます(改めて学ぶことが多くありました)。一点、ご見解を頂きたいことがございます。昨日のご発表の際に、機械学習モデル間の比較で、提案モデル(新手法)の有用性を示すために、従来型のモデルを「当て馬」にした論文も多いとの指摘がありました。私自身もその様な論文を書いているので、反省するところがあります。しかし、研究成果をまとめる際に、新手法の有用性を示すためには、何らかの目標が必要になると思います。一番手っ取り早いのが、従来型の手法との比較になるのだろうと思います。この場合に、データドリブンモデルを扱っているので、利用したデータに限り、新手法の有用性を示すことになります。多分、これを積み上げても(データの事例を増やしても)、モデルの汎用性を明らかにするのは、難しいのではないかと考えています。新手法の有用性を示すために、他に有効な目標設定などは考えられますでしょうか?なお、物理モデルのシミュレーションでも、同様に新たなスキームを導入した場合に、それ以前のモデルのシミュレーションとの物理現象の再現性の比較で、その新スキームの有用性を検証することが多いと思います。しかし、その上で、物理モデルの場合には、物理現象の解明にも使われることもあります。このようなアプローチは、データドリブンモデルでは、今のところ思い付かないですが、何か良いアイデアがありましたら、ご教授頂けましたら幸いです。

    1. 一言 正之 より:

      木村さま、コメントありがとうございます。いつも論文を参考にさせていただいております。
      「当て馬」は言葉が良くなかったかもしれません。手法の比較を行う場合には、少なくとも各手法の計算条件をきちんと記載するべきだろうと思います。しかしながら実際には、片方の手法は詳細なケーススタディを行っているにもかかわらず、もう片方はケース設定の手順が雑な場合・条件設定の記載がほとんどないような文献があると思います。そのような比較はアンフェアだと感じた次第です。

      また一流域、一出水のみで結論を出してしまうのは信頼性に欠けるので、できる限り複数の事例で示すことが望ましいと思います。

      ただし、そうした論文は知見が乏しい黎明期のものであったり、ページの制約などやむを得ないこともあろうと思います。ラフな論文でも決して否定するつもりはありません。自戒も込めて、読み手のリテラシー喚起のつもりで提起させていただきました。

      1. 一言 正之 より:

        後半の「物理現象の解明」については、論文・スライドにも示したようなXAIの活用が期待されていると思います。流出解析に限らず、数値モデルで記述しきれないような(実現象の再現が難しいような)複雑な事象において、XAIによる現象解明のアプローチは試してみる価値があると思います。

        そのためにも、河川・水文のオープンデータ化が進むことを期待する次第です。

  2. 木村 延明 より:

    一言さま;ご丁寧なお返事ありがとうございます。XAIのご提案に関しては、今後の取り組むべき課題として、同意致します。どうしても、新しいスキームが導入されたモデルに目に行きがちですが、従来的に使われるモデルであっても、XAIを通して、どの様な特徴量(データのパターン等)に敏感に反応するのかなどを検証して、より汎用的な知見を蓄積することが大切かも知れません。今後とも、ご知見を共有して頂ければ幸いです。

  3. 猪股 広典 より:

    一言様

    土木研究所の猪股です。
    お世話になっております。

    深層学習の流出解析への適用に関する包括的にレビューして頂きありがとうございます。流出解析以外の分野での深層学習の利用については展望をお持ちだったりしないでしょうか?例えば計画流量を計算する際に、貯留関数に入力する雨量は極値解析で求めていますが、雨の「波形」については少ない過去事例を使わざるをえないので、もう少し合理的に設定できないかなと感じることがあります。上記例以外にも、時折「波形」がモデル化できたらな、と思うことが時折あり、深層学習にその可能性があるのか気になりました。完全に思い付き質問で恐縮ですが、可能な範囲でお考えを伺えるとありがたいです。

  4. 一言 正之 より:

    猪股さま、コメントありがとうございます。
    すみませんご返信遅くなりました。流出解析以外にも、浸水域予測・浸水検知、水害リスク評価(ハザードマップ的な)、湖沼・地下水の水位予測、土砂災害予測・リスク評価、降雨予測など、水文での深層学習の適用はたくさんあるようです。
    深層学習の適用先として、リアルタイム予測などが多い印象です。計画に用いられるケースは少ない気がします。やはりモデルの「説明性」に弱点を抱えているのがネックなのかもしれません。

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