洪水時における砂州の挙動が砂州上に繁茂する樹木群流失に与える影響 2023年6月11日 最終更新日時 : 2023年6月14日 油川 曜佑 著者 油川 曜佑/株式会社北開水工コンサルタント 渡邊 康玄/北見工業大学社会環境系 説明資料 D23-00080_Aburakawa-Yosuke
コメント:
セグメント1区間での砂州移動に伴う樹木群流失のメカニズムについて,現地調査と数値解析を用いてアプローチされており,興味深く拝見させていただきました.特に,冠水時間が樹木流失にとって支配的であることが見出されたことは,河道管理上,重要な知見かと思いました.
質問:
「流木化が被害を助長」(p.1)という懸念がある一方で,
まとめでは「流失を促進」することが重要とあります.
両者のバランスが難しいように思われましたが,音更川の樹木群管理としては後者を目指すということでしょうか.私の認識に誤りあるかもしれませんので,補足説明いただけると幸いです.
関連して,p.1の記載について質問です.
「大規模洪水発生時に、河畔林の流木化が被害を助長する事例が数多く報告」とありますが,具体には十勝川本川での被害でしょうか?それとも音更川の下流部でしょうか?また,どういった被害が生じているのでしょうか?
田端さま
ご質問いただき大変ありがとうございます。
本論では、流下能力向上の観点から流木化流失促進には冠水時間の確保が重要としていますが
上流側の砂州を掘削することで、その下流側に存在する樹木群の流木化が抑制されることが数値解析により期待されましたので、流木化による被害軽減の観点からの議論も必要でした。今後の課題とさせていただきます。
また、本論は上流側の砂州掘削による樹木流失の違いの検証に留まっています。検証結果は一考察に過ぎず、音更川の樹木群管理に直接結びつくものではないことを補足させていただきます。
流木被害については、洪水規模により異なりますが、例えば、H28.8洪水では十勝川本川河口部への流木漂着による漁業被害などの報告がされております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。