漏水流量と地盤損傷の関係性に着目した河川堤防のパイピング破壊に対する矢板の効果 2023年6月6日 最終更新日時 : 2023年6月6日 澤村 直毅 著者 澤村直毅/名古屋工業大学大学院 前田健一/名古屋工業大学 説明資料 ダウンロード
パイピング破壊曲線による簡易判定は印象に残りました。このパイピング破壊曲線は漏水量の積算値とあります。多くの河川では既往出水がありますが、これによる影響は、この簡易判定に影響するように思いますが、この点についてどのように考えればよろしいでしょうか。
ご質問ありがとうございます。改めて回答いたします。
既往出水について地盤を損傷させる平均動水勾配であれば加算しますが、そうでない場合は加算しないと考えています.地盤特性ごとのその線引きにつきましては今後の課題です。記録の無い過去(昭和以前)の出水につきましては判定に組み込めないですが、被害が生じている箇所であれば対策を講じていると思いますので、その時点を0として対策以降の出水量で判定してよいと考えています。
また、発表中にいただいた質問につきまして回答させていただきます。
質問:解析において局所動水勾配が減少しているのはどういうことか。
回答:単純に堤内側と堤外側の水頭差が小さくなっているためでした。本稿図-5の堤内側の水位(水色線)を見ていただくと、水位が継続するほど浸透が進み堤内側の水位が上昇しています。
そのため、堤内側へ向かう流速が減少し、流速から算出している局所動水勾配も減少したと思われます。
以上、なにとぞよろしくお願いいたします。