展葉直後の伐採および複数回の刈取りによるヤナギ類の再繁茂抑制効果の検討 2023年6月6日 最終更新日時 : 2023年6月14日 大石 哲也 著者 大石哲也/寒地土木研究所 平田智道/寒地土木研究所 布川雅典/寒地土木研究所 山岸祐介/北海道大学 西田侑希/北海道開発局幌開発建設部 山中直樹/北海道開発局旭川開発建設部 説明資料 展葉直後の伐採および複数回
掘削や樹木伐採後の再繁茂抑制の方法として,展葉後の時期を狙って伐採するといったヤナギの生態に基づいた工夫が提示されており,興味深く拝見させていただきました.
質問:
展葉後伐採や萌芽幹刈取が有効であることが示されていますが,マンパワーで全て対応するには限界があるように思いました.実際,どの程度までなら(区間長や本数等)対応可能なのでしょうか?
あわせて,実際の管理においては,例えば草地維持を目指して掘削高を工夫しつつ,萌芽幹を摘み取っていくことで樹林化を抑制する方法も有効かと思いますが(本州の河川ではいくつか実績があると思います),そのような手法に,ご検討の知見をうまく活用できると考えてよいでしょうか?具体のアイデアがあればご意見いただけると幸いです.
ご質問いただきましてありがとうございます。
以下のようにご回答いたします。ご検討のほどよろしくお願いいたします。
どの程度までなら(区間長や本数等)対応可能なのでしょうか?
→伐木の歩掛が、バックホウ1台1日で1000m2程度です。1ヶ月程度(実働20日)効果が持続すれば2ha程度になるかと思います。あくまで単純計算です。
草地維持を目指して掘削高を工夫しつつ,萌芽幹を摘み取っていくことで樹林化を抑制する方法も有効かと思いますが,そのような手法に,ご検討の知見をうまく活用できると考えてよいでしょうか?具体のアイデアがあればご意見いただけると幸いです.
→本手法の考え方は有効かと思います。報告にも記しましたが、再萌芽の抑制には、伐期(糖の蓄積量)×樹齢(活性度)×光環境が効いていると考えています。
例えば、糖の蓄積量が多い冬場に行うと、草本の成長スピードよりも再萌芽による萌芽幹の成長スピードが速くなります。こうなりますと草地化の実現が難しくなります。
樹木の生長制御に光環境をコントロールすることは、現場でも活用事例があります。例えば、樹木をある程度残して、草本が成長する少し前に伐採する(間引きを行う実験)ことがあげあられます。北海道でもこの種の実験も伐期と樹齢をコントロールして始めています。
また、ご指摘いただいているとおり有効な方法であっても、コストや手間がかかる場合は現場で採用されませんので、この部分も併せてデータの蓄積と定量的化を目指しています。ヤナギの伐採効果の有効性は、地域によっても異なるので、全国を複数の区画を分けて有効性を明示することが必要ではないかと思っています。
河川財団田島です。
以前より、寒地土木からの伐採時期の報文を拝見しております。
次期のみならず、自然環境、特に気温の影響などないでしょうか?
次期→時期(季節のことです)
田島 様
ご質問ありがとうございます。
自然環境、特に気温に影響ということですが、気温が伐期に影響があるということでしょうか? 多様に意味がとれるので、少し質問を絞っていただけますと幸いです。