3DスキャナやUAV-SfMで取得した3次元形状データ解析による河床表層材料の粒度分布調査 2023年6月12日 最終更新日時 : 2023年6月12日 山本 亮介 著者 山本亮介/(一財)電力中央研究所 サステナブルシステム研究本部 気象・流体科学研究部門 鈴木準平/(一財)電力中央研究所 サステナブルシステム研究本部 気象・流体科学研究部門 説明資料 説明資料-4ダウンロード
興味深く資料を拝読させて頂きました。
私は、河川の洪水流・河床変動解析に関心を持っておりますので少し違う観点からの質問になりますことをご容赦下さい。
本手法を応用すれば、いわゆる「覆瓦構造」等、石礫河床にがどのような形状・姿勢で存在しているか等の分析も可能なのでしょうか?石礫は形状を持つのでこれらがかみ合わさることで河床の安定性を高めることが知られていますが、なかなか定量的・広域的な議論の難しいところでございます。洪水後の河床表層の状態(水中は難しいかと思いますが)を本手法で解析すればこのような問題に対し大きな手掛かりになるのではないかと感じたのですがいかがでしょうか?
お忙しい中,コメント頂きありがとうございます.
上方視点からの砂礫粒子の長短軸の方向であれば,資料のとおり,分析可能です.また,砂礫粒子の3次元形状データから天面を構成する三角メッシュ群を抽出して各メッシュの面法線の平均を求める等すれば,その砂礫の姿勢(傾き)が見えてくるかもしれません.UAV-SfM測量データを使えば,各砂礫粒子の位置座標も直接分かりますので,そのような分析データをGISでマッピングしていけば,何か傾向が見えてくる可能性もありそうで面白そうです.
興味深く拝見しております.
地形が詳細に取得され三次元等高解像度の解析が始まると,粒度分布情報の取得がポイントになると思います.今回のような点情報ではなく,面情報として(広域で)粒度分布を把握したい場合での,本手法の活用イメージがあれば教えてください.
コメント頂きありがとうございます.
粒度分布情報の活用目的によって,必要な面情報の空間スケールが異なってくると思います.したがって,UAV-SfM測量で得られた広域の表層データ全体を一気に解析するのではなく,グリッド分割してグリッド毎の粒度分布を算出しておき,これをGISで河川写真上にマッピングして任意のグリッド情報を確認できるようにすれば使いやすいかなと思っています.ユーザーがグリッドスケールを選択できて,それに合わせたグリッド内の粒度分布情報が出てくるような見せ方が良いなと思います.
大学時代の研究でSfMを用いていたため、大変興味深く拝読させて頂きました。
質問が二つあります。
・今後実用化にあたり、測定箇所に流木や落ち葉などの対象外の物体も撮影されてしまうかと思われます。このような物体は、前処理として取り除く必要があるのでしょうか。
・20mm以下の粒径では検出に限界があるとのことでしたが、今回の条件より近距離の写真撮影で細粒の検出はできる可能性はありますでしょうか。(手作業で写真撮影するとしても作業の効率化に繋がるかと感じました)
コメント頂きありがとうございます.
・プログラム内で砂礫粒子の抽出後,形状係数を計算しています.極端な値な場合,その粒子を除去する処理を後処理として入れています.この処理により,枝のようなものはほぼ自動的に取り除かれます.また,色情報も見ており,明らかに植物だと推定される緑色のメッシュは予め処理対象データから自動的に取り除くようにしています(こちらは前処理段階).落ち葉除去にもトライした事があるのですが,どのような落ち葉にも対応できるように色と形状係数の閾値を決めるは難しく,現状では機能をオフにしています.(個別に閾値を調整すれば特定の落ち葉をきれいに自動除去できることは確認できています.)
・近距離撮影による精度向上の可能性はあると思います.どの程度手間を減らしてデータを取得できるかが鍵となりそうです.
ご回答ありがとうございます。また返信が遅れてしまいすみません。
GISマッピングで粒度分布、長短軸の向き、傾きなどの情報を面的に示すことは魅力的ですね、個人的(学問的)にすごく興味があります。また、ダムの改造や堰の改築等による流砂環境の変化が河川環境に及ぼす影響評価が重要になりますが、そもそも平面的な分級状況等について定量的なデータ蓄積がないことを危惧しており、ご提案された研究はこれに大きく貢献するものと期待しております。
貴重な研究成果についてご発表・議論頂きましてありがとうございました。