侵食抵抗の小さい岩盤の露出した河川に効果的な河床低下対策工の検討 2023年6月14日 最終更新日時 : 2023年6月14日 清家 拓哉 著者 清家拓哉/株式会社開発工営社 渡邊康玄/北見工業大学 社会環境系教授 濱木道大/株式会社開発工営社 大島省吾/国土交通省 北海道開発局 網走開発建設部 説明資料 R5河川シンポ_PS資料
軟岩侵食対策に関するモニタリングと数値解析検証の興味深い研究発表ありがとうございます.サケ,カラフトマスの産卵床としての効果も明らかにされた点が本研究の有用性を強調しているように思います.数値解析結果も全体的に再現性がよいように見えますが,上流部の再現性があまりよくないように見えます.これは上流からの供給砂礫の問題なのでしょうか?軟岩侵食の場合は比較的長期の予測が求められる上に,粒度分布も影響が多きそうで現象として複雑な気がしますが,このあたりについて教えていただけないでしょうか?
内田様
ご質問いただき,ありがとうございます.
論文・PPTに示した数値解析結果は対策工配置検討当時のものでして,初期河床は2016年河道となっております.一方,実測では2018年出水により直轄(計算区間)上流端の頭首工が被災したことで,上流から直轄区間(計算区間)へ大量の土砂が流入しており,この差が計算と実測の誤差につながったものと考えております。
ご回答ありがとうございました.確かに実測の土砂堆積が多くなっています.今後の発展も楽しみにしています.
清家様
中央大学 後藤です.似たような研究に関わらせて頂いており,大変興味深く拝見させて頂きました.
河床低下対策工の配置の考え方について質問させて下さい.
帯工の間隔を300~400m程度の間隔で設置されているとのことですが,この間隔はどのようにして決められたものなのでしょうか?
経年的に設置していく中で,その河床の応答を見ながら設置し,最終的に300~400m程度の間隔となったのでしょうか?それとも,河床の縦断形とその経年変化を分析する等し,当初から,300~400m程度の間隔が妥当と考えて作られたのでしょうか?帯工配置の考え方をお教え頂ければと思います.
後藤様
ご質問いただき,ありがとうございます.
帯工の間隔につきましては,無対策の予測計算より,湾曲部外岸側での洗掘が露岩箇所を拡大させ,河床低下を助長している傾向となったことから,当初は蛇行波長(800m程度)の半分程度の間隔で設置することを基本としました.
その後,現地状況(産卵床分布,護岸被災状況等)や段階施工途中の河道変化(対策効果)を確認しながら帯工位置の調整を行った結果,最終的に300~400m程度の間隔となりました.
清家様
ご回答頂き有難うございます.
段階施工途中で確認されながら決定されたこと,よく理解出来ました.
ありがとうございました.