R2年7月豪雨時の川辺川における水害防備林の氾濫流減勢の評価と配置に関する検討

著者

  • 徳永 至/熊本大学大学院土木建築学専攻
  • 皆川 朋子/熊本大学大学院准教授 先端科学研究部社会基盤環境部門環境保全分野

説明資料

R2年7月豪雨時の川辺川における水害防備林の氾濫流減勢の評価と配置に関する検討” に対して6件のコメントがあります。

  1. 青木 健太郎 より:

    いであ株式会社の青木と申します。
    洪水時の水害防備林の状況について質問させていただきます。
    解析上は粗度係数に置き換えて検討されていますが、洪水時には水害防備林が倒伏する可能性があります。川辺川において、洪水後の水害防備林は倒伏していましたか?倒伏することで減勢効果も変化することが考えられますが、考慮されていますか?
    よろしくお願いします。

    1. 徳永 至 より:

      青木様

      貴重なコメントをいただきありがとうございます。
      青木様のご指摘の通り、被災時の写真より倒伏した水害防備林を確認することができます。昨年の台風14号による出水時においても水害防備林の倒伏を確認できました。しかし、私が水害防備林の研究に着手いたしましたのが令和2年7月豪雨直後ではなく、当時の詳細な倒伏の姿を確認できておりません。よって、倒伏の角度やタイミング等の再現性確認を行えないため、今回は倒伏を考慮しないものとさせていただきました。

      1. 青木 健太郎 より:

        徳永 様

        いであ(株)青木です。

        丁寧な回答をいただきありがとうございます。
        発表時に指摘があったように河道と一体となった二次元解析の方が水害防備林の効果を評価しやすいと思います。
        私が研究した論文でも河道と一体となった二次元解析で実施しています。江の川では河岸沿いの水害防備林の効果を評価しています。また、倒伏についても論文を発表しています。参考にしてみてください。

  2. 小林 大祐 より:

    電力中央研究所の小林と申します.大変興味深く資料を拝見させて頂きました.二点ほど質問がございます.

    ・P15について,水害防備林によって河道湾曲部外岸沿いで流速が減少する理由は,遠心力の減少ということでした.水害防備林の抵抗効果として,防備林がない場合に比べて河道内の主流速が減少し,その結果遠心力が減少するということだと理解しております.そうであれば,内岸流速も減少すると考えたのですが,なぜ内岸側の流速の減少は外岸ほど見られないのでしょうか.もともと,内岸沿いに防備林は存在していないということでしょうか.

    ・複数のケースから川辺川における最適な防備林の設置案を検討されていますが,“上流のみ防備林を除去する”というCase2を検討された意図を教えて頂きたいです.

    以上となります.宜しくお願い致します.

    1. 徳永 至 より:

      小林様

      貴重なコメントをいただきありがとうございます。
      一つ目のご質問にあります「河道湾曲部外岸側での流速低減」に関しまして、内岸沿いにも水害防備林は存在しております。しかし、湾曲部において、内岸側より外岸側方向へ大きくなっていた氾濫流速が水害防備林によって緩和され、内岸側へと流れの向きが制限されたことで、内岸側では流速低減がみられなかったのではないかと考えております。
      二つ目の「上流のみ防備林を伐採した意図」に関しまして、山間部である上流域にて水害防備林が流れを制限し、河道内に流量・流速を集中させた結果、平野部である下流域で勢いよくあふれてしまった可能性を考えました。したがって、このケースを設けた意図としては、下流域に比べ集落が少ない上流域で流れを制限しないことで、下流域の被害を軽減することが狙いでした。

      1. 小林 大祐 より:

        徳永様

        電中研の小林です.
        丁寧なご説明をありがとうございます.水害防備林による流れへの効果を考える際には,流速を減少させる抵抗効果だけでなく,平面的な流速分布の変化(流量・流速の集中)も重要な効果であると感じました.勉強になりました.ありがとうございました.

コメントは受け付けていません。