自動更新機能を有するリアルタイム河床変動計算と危険箇所のアラート通知システムの開発

著者

  • 佐藤 誠 /株式会社 建設技術研究所 東京本社河川部北海道河川室
  • 山下 千智/株式会社 建設技術研究所 東京本社河川部
  • 黒田 直樹/株式会社 建設技術研究所 東京本社河川部
  • 亀田 敏弘/東京大学特任研究員 「i-Construction システム学」 寄付講座・筑波大学准教授 システム情報系
  • 藤原 圭哉/東京大学共同研究員 「i-Construction システム学」 寄付講座・日本工営株式会社 河川部

自動更新機能を有するリアルタイム河床変動計算と危険箇所のアラート通知システムの開発” に対して6件のコメントがあります。

  1. 太田 一行 より:

    電力中央研究所の太田と申します.
    大変興味深く,論文と資料を読ませていただきました.

    今回の技術では,最新(過去)の地形と現在の流量・水位を用いて,現在の河床形状を予測する技術と理解しました.一方,例えば降雨・出水予測のように,将来予測へのニーズもあるかと思いました.今後,リアルタイムに将来の予測までを行っていく計画等はございますでしょうか.

    1. 佐藤 誠 より:

      電力中央研究所 太田様

      ご質問ありがとうございます。
      株式会社建設技術研究所の佐藤です。
      現在、仮サーバーでシステム開発を実施しており、実際の事務所への導入はされていない状況です。そのため、洪水予測のデータを取得できないため実データを取得し、リアルタイム計算及びアラート通知のシステムとしております。
      洪水予測の流量の取得ができれば、データ取得のモジュールのデータ取得先を洪水予測のシステムに変更することで、予測流量で河床変動予測も可能となります。
      一方で、洪水予測の予測精度、予測時間、河床変動解析の計算時間、ポスト処理時間等を考慮して河床変動の精度、予測時間等を検討する必要があると思われます。

      1. 太田 一行 より:

        建設技術研究所 佐藤様

        ご返信ありがとうございます。
        将来予測の際には,平面二次元解析に要する計算時間等も考慮して,検討が必要ということで理解しました.新しい技術かと思いますので,発展・実用化を期待しております.

  2. 内田 龍彦 より:

    ご発表ありがとうございます.河床変動をリアルタイム予測し,それに基づく洗堀や河岸侵食被害箇所のアラートできれば有用であり,また含まれる要素技術は応用性が高いように思いました.以下について教えてください.
    ・リアルタイム予測を実施するためには,あらかじめ地形データを用意し,インプットしておく必要があると思いますが,そうするとあらかじめ種々の条件で河床変動計算を実施し,危険個所を抽出,必要に応じて対策することが重要と思います.今回のリアルタイム予測と事前解析の関係性について教えてください.
    ・リアルタイム予測ではその時点での河岸侵食など河床変動に直結するデータを同化しながら実施できるとよいように思いますが,このあたりの今後の展望はございますでしょうか?

    1. 佐藤 誠 より:

      内田様

      ご質問ありがとうございます。
      株式会社建設技術研究所の佐藤です。

      ・リアルタイム予測と事前解析の関係について
      危険個所の把握や対策を検討するうえで河床変動解析モデルの詳細な検証は重要と考えます。精度の高い河床変動解析モデルを構築できた後に、そのモデルを援用し、リアルタイム予測を実施することも可能と思います。
      また、河床変動が著しい河川では、中規模の出水でも河床形状が変化するため、次の出水では予測が難しいことも考えられます。ALB測量の頻度を高められれば、当システム(X-EVA)により、測量成果の更新を自動検知し、モデル更新する機能を用いて最新の地盤高にモデル更新することが可能で、予測精度も高められると思われます。

      ・データ同化について
      大変有用なアイデアありがとうございます。
      本研究では、河川巡視や避難等に役立つように、リアルタイム河床変動計算により、危険箇所を知らせる機能を開発したものになります。
      データ同化を実施しながら河床変動解析を行うと、区間が長い河川では、計算負荷が大きくなりアラート通知が遅れることも懸念されます。
      予測精度を高めるという点では今後の参考とさせていただきます。

  3. 内田 龍彦 より:

    ご回答ありがとうございます.質問のイメージは津波予測の事前数値解析データセットでした.しかい地形のデータ更新頻度が高く,洪水流量ハイドログラフのパターンも様々なので,リアルタイムが重要であることは理解できます.今後また発展した研究成果を勉強できることを期待しています.

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