和田 孝志1,上田 昭文2,梶川 勇樹3,三輪 浩4,今津 勉5
1.鳥取大学 助教 学術研究院工学系部門,2.京都市 上下水道局,3.鳥取大学 准教授 学術研究院工学系部門,4.鳥取大学 教授 学術研究院工学系部門,5.国土交通省 中国地方整備局 日野川河川事務所
地元として、置いた砂はすぐに流れれば良い、という発想なのですか?ゆっくり流れてくれればよい(アユなどの生息生物のため)くらいの発想だとしたら無理に伐採しなくても、と思ってしまいます。結局、ゴール次第ですね。それによって計算の仕方・目的もずいぶん変わってくると思います。日野川の置土は長くやっている事業ですので、これからも効果を期待しています。
木下様,コメントいただきありがとうございます. 置き土は設置後に期待した出水が発生せず,しばらく期間が経過してしまいますと,表面に草が生え固定化して流出しにくくなってしまう傾向がございますので,できるだけ早期に(設置後1~2年程度で)流出させることを考えております. また,置き土設置による継続的な濁り発生が周辺取水施設や漁業へ影響することも懸念されますので,このことからも早期での置き土流出が期待されていると思います.
本研究では「置き土による周辺河道の攪乱」が目的の一つとなっておりますが,発表資料3~4頁に示しますように,周辺河道の砂州は樹木繁茂や表面粗粒化により固定化されて変動が困難な状況であることから,置き土だけでなくこれらの砂州への直接的介入(砂州切り欠き・樹木伐採)を併用した攪乱が必要ではないかと考えております. 簡易的な手法の組み合わせではありますが,これらの施策に本提案手法が活かせられるよう,手法の妥当性や適用性を今後検証できればと考えております.
UAVにより樹高を計測されているとのことですが、樹木群の抵抗を見積もる上では、樹高だけでなく樹幹部・樹冠部の高さ、胸高直径、繁茂密度などの情報も必要になるかと思いました。これら諸元についても計測可能(もしくは今後は対応可能)と考えてもよいものでしょうか?ご意見いただけると幸いです。
田端様,ご質問いただきありがとうございます. 残念ながらUAV写真測量では表層高(樹冠頂部高)分布のみが計測可能です.近年では,UAVに透過性を変化させたレーザー(ALB等)測器を取り付けることで樹高だけでなく樹冠下の詳細な形状を把握することが可能となっており,これらの測器やAIの活用によって更なる詳細な樹木パラメータを取得することも考えられます. 本研究のコンセプトはあくまで「簡便な手法による(置き土などの河床変動)効果の推定」であり,河道内樹木の植生密度,胸高直径など国内の多くの河川で行われている河道内樹木の実測データの蓄積をうまく活用し,樹木高分布のみを把握することで簡便に合理的に河道内土砂動態に対する樹木管理の影響を把握できる手法を構築できればと考えております. 今後は,蓄積された国内の河道内樹木実測データと対象河川の樹木パラメータとの差異を把握し,他河川の樹木実測データの適用性を検証できればと考えております.
ご発表どうもありがとうございました。 1点分からなかったので教えてください。 この計算手法は、全粒径を対象とのことですが、浮遊砂形態は考慮されないものでしょうか? 急流河川なのに、砂が意外と流れないなという印象を受けたので。 急流河川の中に砂を置くケースでは、比高の高い砂州に巻き上がって堆積する、植生がその捕捉を促すといった作用もあるのかな?と思ったので確認させていただきました。 ご教示いただけますと幸いです。
秋田様,ご質問いただきありがとうございました. 今回の計算モデルでは,比較的粗い河道掘削材料の転用を想定して「掃流砂形態のみ」を対象としており,浮遊砂形態は考慮しておりませんでした.ダム堆積土砂の転用も今後考えていく必要がございますので,浮遊砂形態を含めた計算を試みる予定です. おっしゃるように,砂州上の植生繁茂領域での細粒分の捕捉も考慮すべき内容だと思いますので,浮遊砂を取り入れた計算によりそれらの効果についても検証して参りたいと思います.
ご質問の事項は発表中で説明するべき内容でしたが失念しておりました.申し訳ございません.
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地元として、置いた砂はすぐに流れれば良い、という発想なのですか?ゆっくり流れてくれればよい(アユなどの生息生物のため)くらいの発想だとしたら無理に伐採しなくても、と思ってしまいます。結局、ゴール次第ですね。それによって計算の仕方・目的もずいぶん変わってくると思います。日野川の置土は長くやっている事業ですので、これからも効果を期待しています。
木下様,コメントいただきありがとうございます.
置き土は設置後に期待した出水が発生せず,しばらく期間が経過してしまいますと,表面に草が生え固定化して流出しにくくなってしまう傾向がございますので,できるだけ早期に(設置後1~2年程度で)流出させることを考えております.
また,置き土設置による継続的な濁り発生が周辺取水施設や漁業へ影響することも懸念されますので,このことからも早期での置き土流出が期待されていると思います.
本研究では「置き土による周辺河道の攪乱」が目的の一つとなっておりますが,発表資料3~4頁に示しますように,周辺河道の砂州は樹木繁茂や表面粗粒化により固定化されて変動が困難な状況であることから,置き土だけでなくこれらの砂州への直接的介入(砂州切り欠き・樹木伐採)を併用した攪乱が必要ではないかと考えております.
簡易的な手法の組み合わせではありますが,これらの施策に本提案手法が活かせられるよう,手法の妥当性や適用性を今後検証できればと考えております.
UAVにより樹高を計測されているとのことですが、樹木群の抵抗を見積もる上では、樹高だけでなく樹幹部・樹冠部の高さ、胸高直径、繁茂密度などの情報も必要になるかと思いました。これら諸元についても計測可能(もしくは今後は対応可能)と考えてもよいものでしょうか?ご意見いただけると幸いです。
田端様,ご質問いただきありがとうございます.
残念ながらUAV写真測量では表層高(樹冠頂部高)分布のみが計測可能です.近年では,UAVに透過性を変化させたレーザー(ALB等)測器を取り付けることで樹高だけでなく樹冠下の詳細な形状を把握することが可能となっており,これらの測器やAIの活用によって更なる詳細な樹木パラメータを取得することも考えられます.
本研究のコンセプトはあくまで「簡便な手法による(置き土などの河床変動)効果の推定」であり,河道内樹木の植生密度,胸高直径など国内の多くの河川で行われている河道内樹木の実測データの蓄積をうまく活用し,樹木高分布のみを把握することで簡便に合理的に河道内土砂動態に対する樹木管理の影響を把握できる手法を構築できればと考えております.
今後は,蓄積された国内の河道内樹木実測データと対象河川の樹木パラメータとの差異を把握し,他河川の樹木実測データの適用性を検証できればと考えております.
ご発表どうもありがとうございました。
1点分からなかったので教えてください。
この計算手法は、全粒径を対象とのことですが、浮遊砂形態は考慮されないものでしょうか?
急流河川なのに、砂が意外と流れないなという印象を受けたので。
急流河川の中に砂を置くケースでは、比高の高い砂州に巻き上がって堆積する、植生がその捕捉を促すといった作用もあるのかな?と思ったので確認させていただきました。
ご教示いただけますと幸いです。
秋田様,ご質問いただきありがとうございました.
今回の計算モデルでは,比較的粗い河道掘削材料の転用を想定して「掃流砂形態のみ」を対象としており,浮遊砂形態は考慮しておりませんでした.ダム堆積土砂の転用も今後考えていく必要がございますので,浮遊砂形態を含めた計算を試みる予定です.
おっしゃるように,砂州上の植生繁茂領域での細粒分の捕捉も考慮すべき内容だと思いますので,浮遊砂を取り入れた計算によりそれらの効果についても検証して参りたいと思います.
ご質問の事項は発表中で説明するべき内容でしたが失念しておりました.申し訳ございません.