The symposium about river engineering, 2022

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コメント (11)
  1. 旭 一岳 より:

    藤田様、河川管理のDXについてさまざまな取組み事例の紹介ありがとうございました。新しい技術の普及が進み、より時空間精度の高いデータが河川管理に利用できるようになることを期待しています。

    一方、新しい技術の導入はその運用に至るまで様々な障壁があると考えています。例えば以下についてはどのような方針でしょうか?

    1.データ公開について
    椿先生からもお話ありましたが、オープンサイエンスの中にオープンデータの取組みがありますが、河川管理に係るデータ、例えば横断測量データやRiMADISデータなどは公開されていません。今後それらデータは非公開のままなのでしょうか?それとも、公開する方向性で動いているのでしょうか?データ公開によるメリット、デメリットもあるかと思いますがそのあたりどのようにお考えでしょうか?

    2.新技術の採用と予算
    紹介いただいたような新技術の活用が普及すれば活用できるとより良いかと思います。一方、ITの進化スピードは爆速ですので、今現在ない技術も今後どんどんでてくるかと思います。そのような状況の中、新技術(どの新技術か?も含む)を採用は、どなたがどういったタイミングで判断していくことになるのでしょうか?

    新技術を採用するということは、既存技術もある状態です。例えば管内図、2次元管内図と3次元管内図。たしかに3次元管内図のほうが良いですが、2次元でも良い場合もあるかと思います。おそらくコスト的には2次元のほうが安価になる。例えば河道設計:VR設計と既存の設計法なども同様かと思います。

    いずれを採用しても良い場合、既存技術と新技術のいずれを採用すべきか判断が難しい場合があるかと思います。一方、行政としては一貫性も保持した判断をされていかと思います。しかし判断に時間をかけていると技術が陳腐化する問題もあります。難しい問題かと思いますが、このあたりどのようにお考えでしょうか?

    1. 椿 涼太 より:

      コメントありがとうございます。

      「2.新技術の採用と予算」の2次元管内図と3次元管内図の比較についてですが、得られるデータが三次元なので、二次元に抽象化?する際にむしろ工夫が必要になる面もでてきているかもしれません(たとえばアンダーパスの処理をどうするかなど)
      また、余裕を持たせた設計で、使い道を厳しく限定せずにデータを集めて、みんなで活用してもらおう、という作戦で取り組んでいる面もあるように思います。

      既存技術と新技術のいずれを採用すべきか判断は、流量観測などでも現在議論しているところで、個別に検討し、統一的な考え方というのは難しいのかもしれません。

      1. 旭 一岳 より:

        コメントありがとうございます。
        また円滑に会を進行いただいありがとうございました。試行錯誤しながら進めていくしかなさそうですね。

  2. 旭 一岳 より:

    デジタルデータのを扱う場合、特に公開する場合は、データやプログラムのライセンスについても使いやすいライセンスを選択して整備することが大事かと思います。一方、河川管理に係るデータは、所有者やライセンスが不明確なものが多いかと思います。その辺、どのように認識されているでしょうか?

  3. 柏田 仁 より:

    若手研究者にとっては,横断測量データやLPデータが公開されれば,それを材料にした新しい研究ができるので,大変喜ばしいことです.
    本日のテーマとは合致しないように思いますが,国民からのデータの受け口としての機能もあっても良いのではないか,と思います.近年の水害では,スマートフォンで撮影された多くの画像・動画が洪水の実態を捉えるファクトとして価値を持っています.それらのデータを集約することは河川管理の基礎になり得ると思っています.

    1. 藤原 圭哉 より:

      コメントいただきありがとうございます。
      私の場合、受発注者間でのデータの融通に置いて双方向型を意識しておりましたが、一般市民からの発信もカバーすべき(近年誰もが所持しているスマートフォンを種々の動くセンサーの集合体として見立てればよい)という視点が抜けておりました。
      ハードの話になりますが、プラットフォームの開発においては、PCだけでなくタブレットやスマートフォンでも使えるようなUIを整備することも大事だと思った次第です。

  4. 濱田 悠貴 より:

    DXの文脈でまず重要なのは、河川のデータに関するエコシステムをしっかりと設計することかと思います。
    実空間で計測されたり、シミュレーション等で作成されたデータをどのように集約・蓄積してどのようにユーザに提供するのか。
    この構造を目的や業界ベースの思考から転換(トランスフォーメーション)して統合的に設計することが必要です。

    河川管理はあくまでも目的・業界の1つであり、そのためのシステムを作ることだけで閉じてしまうと、その業務がデジタル化しているだけで新しい価値はなかなか創出されません(OS名を否定してしまっているようですが。。。)。
    提供されるデータを活用して、どのような河川その他の研究ができるか、どのようなサービス河川管理者や一般市民などに展開できるか、どのように河川管理業務や設計業務などが効率化できるかを、河川にかかわる様々なステークホルダーが模索できる環境を整備することが河川の価値を向上せるために必要だと思います。

    1. 藤原 圭哉 より:

      コメントいただきありがとうございます。
      エコシステム、プラットフォーム運営の上で不可欠と考えます。
      広い分野の方々にいかに気持ちよく乗ってもらうかという仕組み(例えば、データコンペを開く、データ活用に参画・あるいは活用法の提案した企業に何かインセンティブを与えるなど)を議論しつつ、プラットフォームに必要な技術を一部のシステム連携だけでも一通り実装してしまい、議論に実態が追い付くような、横展開可能な素地を早期に作っていくことが肝要と思います。

  5. 大槻 順朗 より:

    流域治水などによって,河川との関わりはよりローカルで分野横断的になるのだろうと思っています.そのうえで,1.のプラットフォームでは,ハイエンドな技術者ではない,あるいは他分野の技術者が利用できるレベルであることが必要だと思います,また2.については,完全なオープンではなくても国⇔都道府県⇔市町村ではオープンであるなど,段階に応じて実現性や実効性が異なると思いますので,ゼロイチではない議論が必要かなと思います.

    1. 藤原 圭哉 より:

      コメントいただきありがとうございます。
      将来的に拡張できる余地を残しつつ、出来るところから実装していく点、また、プラットフォームを活用するためのUIについてシンプルであるべきという点、ご指摘の通りと思います。後はどういうときにプラットフォームを使うのか、という具体的な事例も意識しながら今後も議論・研究開発を進めることができればと思っております。

  6. 原田 大輔 (土木研究所) より:

    どのコメントもとても参考になりました。
    少し違う観点ですが、現場の実務に携わる方で、数値解析や最新の計測技術によって大幅な進歩が見込まれる事象を抽出し、難しい解析や計測を行う研究者・技術者に橋渡しをする役割を担う「DX人材」とでも言うべき方々が多くないように感じています。このシンポジウムの主旨そのものかもしれませんが。